大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和38(あ)1578 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人本人の上告趣意は、刑訴四〇五条以下の理由ありと思料する、とあるのみ

であつて、原判決に対する具体的な論難でないから、上告適法の理由とならない。

弁護人奥村文輔、同金井塚修の上告趣意一は、原判決の憲法三九条、一三条違反

を主張するけれども、原判示有限会社「家具のA」に対する通告処分の履行がなさ

れたからといつて、これと別個の違反行為者たる被告人に対する通告処分の履行が

なされていない以上、被告人に対する告発、起訴に基づく処罰が同一行為につき同

一行為者を二重に処罰するものといえないことは明らかであつて(被告人が右会社

の代表者である代表取締役であることは、何ら妨げとなるものではない。)、論旨

は、違憲の主張としての前提を欠き、上告適法の理由とならない。

同二、(一)ないし(三)は、原判決の憲法三一条、一三条違反を主張するけれ

ども、その実質は単なる訴訟法違反の主張であつて、適法な上告理由に当らない。

同二、(四)は、原判決の憲法三八条三項、三一条違反を主張するけれども、原

審における主張、判断を経ない事項にかかるのみならず、原判決の是認する第一審

判決が、所論被告人の自白のほか、これを補強するに足りるその他の証拠を挙示、

援用しているものであることは、その判文に徴し明白なところであつて、いずれに

しても違憲の主張としての前提を欠き、上告適法の理由とならない。

また記録を調べても刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和四〇年五月二五日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 柏 原 語 六

裁判官 田 中 二 郎

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